研究課題/領域番号 |
14571278
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
堀之内 宏久 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60173647)
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研究分担者 |
山本 学 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10317159)
渡辺 真純 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90201227)
小林 紘一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (80051704)
泉 陽太郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90245506)
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キーワード | ヘパラン硫酸プロテオグリカン / 血管新生 / 間質組織 / ヘパラナーゼ / 腫瘍内血管密度 |
研究概要 |
○ヘパラン硫酸プロテオグリカンの局在と血管新生との関係:間質の恒常性が失われた癌組織において、血管新生と、間質の構成要素であるヘパラン硫酸プロテオグリカンの局在の関係について検討することとした。そのための腫瘍モデルとして昨年度に確立したDonryuラットの皮下移植モデルおよび尾静脈注入による肺転移モデルを用いた。また、ヘパラン硫酸プロテオグリカンの局在を明らかとし、腫瘍の増大とともに、腫瘍周囲間質および腫瘍内観質のHSPGが経時的、空間的にどのような変化をきたしているかをプロテオグリカンに対する抗体(SantaCruz社製NG2(H-300))を用いてWestern blottおよび免疫染色にて検討し、血管新生については抗第VIII因子抗体を用いて内皮細胞を、抗VEGF抗体によって腫瘍組織および辺縁部を染色し、血管密度を計測することにより判定した。現在までに、HSPGの染色は弱く、腫瘍周囲で分解の過程を空間的に把握することは困難であった。VEGFの染色と新生血管の関係は皮下腫瘍の腫瘍辺縁部ではVEGFの染色が強く、同時に血管密度も正常部分に比し増加するようであるが、転移性肺腫瘍でははっきりとした相関は明らかではなかった。 ○ヘパラナーゼ遺伝子過剰発現腫瘍株の樹立:本研究ではヘパラナーゼの遺伝子をクローン化し、強発現をする腫瘍細胞を樹立する予定であった。クローン化を行う前段階として外来遺伝子として蛍光遺伝子(pEGFP C1,BD社製)を用いて安定した腫瘍株の樹立を行うプロトコールを検討した。リポフェクション法では導入される遺伝子が少なく、発現強度も弱かった。また、慶大による発現の低下も著しかった。そこで、遺伝子導入試薬を他の界面活性剤であるFugene6を用いて行った。この方法により遺伝子の導入は比較的容易にできたが、継代により発現強度は減弱することが明らかとなった。
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