研究課題/領域番号 |
14571281
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
筒井 英光 東京医科大学, 医学部, 助手 (50328233)
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研究分担者 |
山田 公人 東京医科大学, 医学部, 助手 (10349475)
原田 匡彦 東京医科大学, 医学部, 助手 (60328242)
臼田 実男 東京医科大学, 医学部, 助手 (60338803)
加藤 治文 東京医科大学, 医学部, 教授 (20074768)
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キーワード | 光線力学的治療法 / PDT / 末梢型肺癌 / 組織内照射 / Photofrin / ATX-S10(Na) |
研究概要 |
[目的]末梢型肺癌に対する低侵襲治療としての光線力学的治療法(photodynamic therapy;PDT)の可能性を検討するために、実験動物の正常肺実質に対し組織内照射法によるPDTを施行して、その組織学的影響および照射方法の工夫によるPDT増強効果について検討した。[実験材料および方法]ブタに対して光感受性物質Photofrin又はATX-S10(Na)を投与した後、肺実質に誘導針を介して円柱ファイバーを挿入し、ダイオードレーザー(630nm又は670nm)で照射を行った。照射後3日で標本を作製した。[実験結果]実験を通して呼吸不全を来したブタはなかった。光感受性物質を投与しないコントロール群においては、レーザーの温熱効果による壊死は生じなかった。標本のマクロ所見では、胸膜直下に暗褐色の境界明瞭・内部均一な壊死巣を認めた。臓側胸膜には構造の破壊はなかった。組織像では、壊死巣の周囲を肉芽組織層が囲んでおり、分界線を形成していた。壊死巣の中心部と辺緑部では壊死に質的・時間的差異はなかった。PhotofrinによるPDTでは、100mW/cm・100-400J/cmの照射条件で10mmの壊死を形成した。10mW/cmでは、同じ照射量(J)で100mW/cmと比べ大きな壊死を形成したが(p<0.01)、照射量の前半を10mW/cm、後半を100mW/cmとする照射条件でも同等の効果であった。ATX-S10(Na)によるPDTでは、同じ照射条件でPhotofrinより大きな11.5mmの壊死を形成した(p<0.03)。回転移動照射式ファイバーを用いた照射では、15mmまでの壊死を形成することが可能であった。[結語]組織内照射法によるPDTで正常肺実質に生じる壊死は、ファイバー周囲に均一に形成され被包化されているため、PDT後も周囲組織の機能は比較的保持されると考えられる。PDT効果の増強は照射方法の工夫や第二世代の光感受性物質により可能であった。末梢型肺癌の局所治療法としてのPDTの可能性が示唆された。
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