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2003 年度 実績報告書

肺移植における選択的免疫抑制-Signal 3 inhibitorの効果-

研究課題

研究課題/領域番号 14571291
研究機関福岡大学

研究代表者

白日 高歩  福岡大学, 医学部, 教授 (20038863)

研究分担者 白石 武史  福岡大学, 医学部, 講師 (10216179)
川原 克信  福岡大学, 医学部, 助教授 (80152990)
キーワードLung / Transplantatation / Rejection / Costimulation / Inducible costimulator
研究概要

T細胞におけるIL-2Rからのシグナル伝達経路の一部であるJAK/STAT系はT細胞の分化・増殖に関与しており、同種移植片に対する急性拒絶反応に関しても大きな役割を果たしている可能性が示唆されている。Tyrphostin AG490は、JAK/STATシグナル経路のγC/Jak3シグナルを選択的に抑制し、さらにその下流のStat5a/bの活性をもブロックすることでIL-2を主体とするサイトカインの産生を抑制し移植抗原に対するT細胞の活性を抑制する事が知られている。我々は、ラット同種肺移植モデルを用いて移植片の急性拒絶反応に対するAG490の抑制効果を検討した。HLA full mismatchのドナー・レシピエントラット間で肺移植を行い、AG490(15mg/kg/day)を腹腔内投与すると、非投与群と比べ拒絶の進行は胸部レントゲン所見上の肺拒絶反応は有意に軽減された。さらにAG490投与のHigh dose(20mg/kg/day)群とLow dose(10mg/kg/day)群との比較により、AG490の抑制効果はdose dependentであることが分かった。また移植後8日目に犠牲死させ摘出した移植肺の肉眼的所見、および病理組織所見においても、AG490の抑制効果は明らかであった。
更にAG490の拒絶反応抑制がサイトカイン産生に依存するかどうかを検討する為、AG490投与群と非投与群のレシピエントsplenocyteとBALFを採取して、intracellular cytokine (IL-2,IFN-γ,IL-4,IL-10)profileとCD4^+CD25^+ regulatory T cellのpopulationの解析を行った。しかしAG490投与群、非投与群のいずれにおいてもintracellular cytokine (IL-2,IFN-γ,IL-4,IL-10)産生には有意差はなく、AG490単独投与のみではサイトカイン産生が影響されない可能性が示唆された。しかし一方、AG490投与群は非投与群に比べ、CD4^+CD25^+ regulatory T cell数が増加しており、AG490はregulatory T cellの産生を介して急性拒絶反応の抑制に関与している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 樋口隆男, 白石武史, 白日高歩ら: "ラット同種移植肺急性拒絶反応に対するTyrphostinAG490の抑制効果"福岡大学医学紀要. 31(1). 35-43 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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