研究課題/領域番号 |
14571311
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中島 義和 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80314334)
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研究分担者 |
加藤 天美 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00233776)
吉峰 俊樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00201046)
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キーワード | 医用画像 / 脳血管撮影検査 / DSA / 脳卒中 / 血管内治療 / モニタリング / クモ膜下出血 |
研究概要 |
私どもの開発したデジタルサブトラクションアンギオグラフイー(DSA)画像解析システムは、DSA画像データの解析により個々の血管内造影剤通過速度をピクセル単位で算出し造影剤の血管内群速度を計算することにより、血管内流速値を相対値としてリアルタイムに疑似カラー化画像として表示するものである。今年度は本検査法の信頼性をさらに向上させるため、造影剤濃度-画像信号の非直線性、画像歪みによる画像信号-ビデオ信号への変換誤差に関する基礎的検討を行った。さらにビデオ信号を介さずDSA検査のDICOMデータをそのままコンピューターに取り込みが可能となり、変換誤差の影響がさらに低減された。主幹動脈の形状、病変による造影剤の滞留などの影響を低減させるため、造影剤の入力波形をデコンボリューション法による正規化をプログラムに導入した。以上の画像データの処理プロセスを導入した脳灌流画像化法の開発、さらに携帯型コンピューターにも応用できるようにシステムの開発、整備を進めている。 臨床応用として、血管内治療においては脳主幹動脈の一時的あるいは永続的遮断に伴う脳灌流動態のグローバルな変化を画像上で確認することが可能であり、さらに各脳血管の血管内流速をあらわす数値データとしての評価が可能であった。同時に超音波検査法により主幹動脈の循環パラメーターの測定を行うとともに、血管遮断に伴う患者の神経症状の推移、あるいはstump圧との比較検討を行っている。一方、脳卒中疾患の急性期における脳のグローバルな灌流動態について、本システムの数値データによる分類を行い、臨床重症度、予後との比較検討を行った。特にクモ膜下出血重症例において、dynamic CT検査法や超音波検査法とあわせて検討することにより発症後早期に長期予後を推定する指標になりうるものと考えられ、積極的治療の適否の早期判断に有用な情報が得られた。
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