研究課題/領域番号 |
14571314
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
大西 丘倫 愛媛大学, 医学部, 教授 (70233210)
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研究分担者 |
原田 広信 愛媛大学, 医学部附属病院, 助手 (20335897)
中川 晃 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (50155678)
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キーワード | グリオーマ / 腫瘍浸潤 / ラミニン-8 / アンチセンス |
研究概要 |
悪性グリオーマの浸潤メカニズムを解明し、新規の抗浸潤療法を確立するため、腫瘍浸潤と血管新生に関与する新しい因子として最近報告されてきているlaminin-8に関する研究を行った。前年度の研究成果で、laminin-8に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドにより、グリオーマのin vitroでの運動能、浸潤能が抑制されることを明らかにした。今年度は、ラット大脳スライスモデルを用いた研究により、正常脳に近い環境においてもlaminin-8の発現抑制がグリオーマ浸潤を抑制することが明らかとなった。また、in vivo脳内腫瘍移植モデルにおいても、アンチセンスオリゴヌクレオチドによるlaminin-8の発現抑制は腫瘍細胞の脳内遊走を著明に抑制した。これらのlaminin-8に対するアンチセンスの抑制効果のメカニズムを調べるためアクチンストレスファイバーの構築ならびに細胞内RacおよびCdc42発現への影響について検討した。laminin-8アンチセンスはグリオーマ細胞のアクチンストレスファイバーの構築を阻害したが、細胞運動に関与するRacやCdc42には影響を与えなかった。これらよりlaminin-8アンチセンスは接着斑形成時のシグナル伝達を阻害する可能性が示唆された。
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