研究課題/領域番号 |
14571335
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
常喜 達裕 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30226378)
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研究分担者 |
荒井 隆雄 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (40307400)
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キーワード | 脳腫瘍 / Drug Delivery System / マイクロカプセル / エンドスタチン / COX-2 / NS398 / 温度可変性ポリマー |
研究概要 |
我々は、これまでにAlginate-Poly-L-lysinで作ったマイクロカプセル内に血管新生抑制タンパクであるエンドスタチンを産生細胞を長期培養しこのカプセルがマウス皮下脳腫瘍モデルで腫瘍の成長を抑制できる事を報告した。また、新たな腫瘍抑制物質として種々の悪性腫瘍において発現の増強が確認されているCyclooxygenase2(以下COX-2)に着目し、悪性神経膠腫においてもその悪性度が増すごとにCOX-2の発現が増強することを確認、同時に選択的COX-2阻害薬のヒト脳腫瘍細胞への増殖抑制効果を報告した。 本年度は、Alginate-Poly-L-lysinにエンドスタチン産生細胞をポリマーで作成したマイクロカプセル内に包埋し使用するだけでなく、新たに温度可変性ポリマー(Thermoreversible Gelation Pokymer :メビオールジェル)に選択的COX2阻害薬を包埋し脳局所療法への応用を検討した。 C6グリオーマ細胞をC6ラットの皮下及び右前頭葉に定位的に注入し皮下モデル及び脳腫瘍モデルを作成した。C6グリオーマ細胞注入後約10日後にラットの頭蓋骨を顕微鏡下で開頭し約50個のマイクロカプセルを脳腫瘍周囲に置くかあるいは、COX2阻害薬包埋メビオールジェルを腫瘍内へ液状の状態で注入した。また、皮下モデルにおいては、約70%の中心壊死部分を摘出し摘出腔内にメビオールジェルに選択的COX2阻害薬を包埋したポリマーを注入した。脳腫瘍モデルでは、頭蓋骨は切除し代わりにガラスで蓋をするいわゆるクラニアルウインドウモデルを用いた。このウインドウからは脳腫瘍の成長や血管新生の様子を直視下あるいは顕微鏡下で確認する事ができ実際の血管新生の抑制状態と腫瘍の増殖状況を評価する事ができる。皮下モデルは、腫瘍の増殖状況を観察している。
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