研究概要 |
(方法)ヒト悪性グリオーマ細胞U87MG, U251MG, U373MGにgreen fluorescent protein (GFP)遺伝子を導入するためpEGFP-C1 vectorをelectroporesion法にて導入し、その後毎週GFPの発色の見られたcolonyのみを繰り返し培養した。二ヶ月後にはcolonyはすべてGFPを発現したのでこれを用いた。Matrigel 1μ1あたり10^5個のGFPのcloneを入れて、gelを10μ1ずつ厚さ20μmのSCIDマウスのbrain sliceのbasal gangliaに移植した。このsliceを孔0.4μmのmicro-pore fliter付きのBoiden chamber上面にのせて、下面に0,1,10,100,1000μg/mlのEstramustine溶液を入れday 1,3,5,7に移植したGFPでラベルしたグリオーマ細胞のbrain sliceでの拡がりを実体蛍光顕微鏡で観察し、冷却CCDカメラで得られた画像をコンピューターに取り込み、image analizerでvolume expansion rate (V. E. R.)を解析した。 (結果)対照群(0μg/ml)では3種のグリオーマ細胞はいずれも指状の浸潤を示し、対側の半球には脳梁交連を経ていた。MTT assayでのnon-cytotoxic level group(1,10,100μg/ml)では細胞浸潤は対側の半球に及ばなかった。V. E. R.はday 5とday 7で有意に抑制された。Cytotoxic level group(1000μg/ml)のV. E. R.はday3,5,7でday 1よりも低下していた。これらのサンプルではレーザー共焦点顕微鏡でグリオーマ細胞がsliceの内側を浸潤しているのが、確認された。
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