研究課題/領域番号 |
14571347
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
徳富 孝志 久留米大学, 医学部, 助教授 (90197872)
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研究分担者 |
刈茅 崇 久留米大学, 医学部, 助手 (90330844)
竹内 靖治 久留米大学, 医学部, 助手 (00299463)
宮城 知也 久留米大学, 医学部, 助手 (40268909)
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キーワード | 重症頭部外傷 / 低体温療法 / 脳循環 / 脳代謝 / 頭蓋内圧 / 脳灌流圧 / 酸素消費量 / 心拍出量 |
研究概要 |
体温35℃を目標とした軽度低体温療法を施行したGlasgow Coma Scale score 5以下の重症頭部外傷症例19例に対して、血圧、体温、頭蓋内圧、脳灌流圧(頭蓋内圧-平均動脈圧)、内頚静脈血酸素飽和度、全身酸素消費量を連続モニターした。頭蓋内圧はCamino社製頭蓋内圧測定装置を用い、また内頚静脈血酸素飽和度はAbbott社製オプチカテーテル、全身酸素消費量はIMI社製 間接熱量計により測定した。これに加え2002年10月以降の症例に対して日本光電社製DDGアナライザによる心拍出量測定を経時的に(1日約2回の測定)行った。19症例中6例(32%)がfavorable outcome(Glasgow Outcome Scaleのgood recoveryあるいはmoderate disability)、13例(68%)がunfavorable outcome(severe disabilityあるいはvegetative stateかdead)であった。これら2群のモニター値について比較検討した。最高頭蓋内圧値はfavorable群23±10mmHgに対しunfavorable群38±23mmHgとunfavorable群で有意(P<0.05)に高かった。低体温療法中の平均体温、内頚静脈血酸素飽和度はそれぞれfavorable群35.5±0.5℃,74±9%、unfavorable群35.1±1.5℃,75±4%と両群間に差を認めなかった。全身酸素消費量はfavorable群214±10ml/min/m^2、unfavorable群195±19ml/min/m^2であった。DDGアナライザによる心拍出量測定結果は心係数に換算するとfavorable群2.4±0.9L/min/m^2、unfavorable群2.0±1.4L/min/m^2でfaborable群で高い傾向が認められた。 今後さらに症例をかさね、転帰に及ぼす循環代謝の影響を検討していく予定である。
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