研究課題
平成15年度は腰椎および頚椎におけるNon-human primate(サル)を用いた最終デザイン候補の人工椎間板置換実験を行った。また人屍体頚椎および腰椎を用いた人デザインによる人工椎間板置換椎間の生体力学試験を行い、初期椎間安定性の評価を行った。動物実験は第一次試験としてサル16頭(腰椎)、第二次試験として22頭(頚椎および腰椎)を行い、最短6ヶ月から最長12ヶ月の経過観察を行う。第一次試験の6ヶ月の結果では、再建椎間の可動域は正常椎間の50-60%に減少し、界面骨癒合も不十分であった。そこで最終デザインでは3-DF表面に骨伝導能と生体内吸収性を兼ね備えたHA/PLLAプレートを接着し、頚椎部と腰椎部への移植を行った。腰椎部では前方腹部正中切開による分割置換と全置換を2椎間に行い、頚椎部では第5/6頚椎椎間板を全置換した。すべての椎間で移植は問題なく行われ、術直後の安定性も良好であった。人屍体腰椎試験では第4/5腰椎を前方および後方よりそれぞれ全置換、部分置換し、頚椎試験では第5/6頚椎を全置換した。置換後の椎間可動域はいずれも正常椎間と統計学的に同等であり、生理的な椎間安定性を獲得できた。力学試験後の置換インプラントは極めて安定であり、脱転や移動等も認めなかった。今後は動物実験第二次試験の6ヶ月試験の結果を確認した後、臨床治験に入る予定である。
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