研究概要 |
C)結果 1)筋容積測定:棘上筋を上腕骨大結節と共に摘出し、測定した筋腹の体積は、コントロール群の平均体積は1.0mlであった。コントロール群を1.0とした場合、3日目、1週目、3週目、6週目では、A群はそれぞれ、1.0、0.9、0.8、0.7、B群は、1.0、0.9、0,8、0.7、C群は、1.0、0.8、0.8、0.7、D群は、1.0、0.9、0.7、0.7であった。各群とも、時間の経過と共に、筋容積は減少する傾向があった。 2)組織学的検討:棘上筋腱の前額面の組織をHE染色、Elastica-Masson染色で評価した。コントロール群と比較して、すべての群で細胞数の増加を認めたが、各群間での差はなかった。また、紡錘形細胞より円形細胞の増加を認めた。コラーゲン線維の配列はコントロル群に比べ乱れが観察されたが、各群とも低週数なほど大きく乱れていた。棘上筋の筋萎縮の程度は、コントロールと比較すると著しい有意差があったが、各群間に有意差は認めなかった。 3)力学的検討:コントロール群の平均最大破断荷重は、平均32N、腱成分での平均断面着は1.1mm^2、平均最大破断応力は、平均29MPAであった。第6週数での最大破断荷重、平均断面積、平均最大破断応力の結果は、A群、11N、1.7mm^2、6.5MPa、B群は、15N、1.6mm^2、9.4MPa、C群は、18N、1.5mm^2、12MPa、D群は23N、1.5mm^2、15MPaであり、コントロール群との有意差を認めたが、各群間の有意差はなかった。今回の結果は初期固定張力が大きければ大きいほど、最大応力は大きくなる傾向にあった。今後はnを増やして、初期張力も大きくした群での検討を加えていきたい。
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