【目的】四肢麻痩運動機能再建のための機能的電気刺激(FES)による筋疲労を抑制するため、間欠刺激条件におけるcatch-like propertyの効果について検討した。 【対象と方法】成熟Wistar系ラット、雄10匹10肢(平均体重300.5g)を用い、これらを低周波数刺激群(20Hz)と初回刺激時100Hzを1発挿入し、その後20Hz刺激を行うcatch-like property刺激群(CLP群)に分けた。刺激は4秒間on、15秒間offの間欠刺激とし、パルス幅0.2msecの単相矩形波を用い、電圧は-4Vとし一定とした。疲労試験は合計60回施行した。測定項目は、force-time integralとした。筋疲労の評価は% of initial peak force、および% of initial force-time integralを、それぞれ%of initial peak force=(Pt/Pi)×100、% of initial force-time integral=(Ft/Fi)×100、で求めて経時的にプロットし、その推移を評価した。 【結果】% of initial peak forceの推移の検討では、CLP刺激群で低周波数刺激群と比較して有意に疲労が小さかった(P<0.0001)。疲労試験最終時の% of initial peak forceは、CLP群52.9%、低周波数刺激群43.9%であった。% of initial force-time integralの推移の検討でも、CLP刺激群で低周波数刺激群と比較して有意に疲労が小さかった(P<0.0001)。疲労試験最終時の% of initial force-time integralは、CLP群35.5%、低周波数刺激群27.6%であった。 【結論】疲労時において% of initial peak forceで約9%、% of initial force-time integralで約8%の増加を認め、本検討における間欠刺激条件でcatch-like propertyにより疲労が抑制されることからcatch-like propertyは、従来の低周波数刺激と比較し有効な刺激法である.
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