研究概要 |
【目的】本研究では,低周波数刺激を数秒間の持続刺激で間欠的に繰り返す条件下でcatch-like propertyが認められるかを検証する. 【対象と方法】成熟Wistar系ラットを用い,以下の2群に分けた.(1)20Hzの低周波数で4秒間の持続刺激を間欠的に繰り返す低周波数刺激群(LFS群).(2)20Hzの低周波数で4秒間の持続刺激を間欠的に繰り返し,各持続刺激の初回に100Hz1発挿入するcatch-like property刺激群(CLPS群).両群とも坐骨神経刺激による内側腓腹筋の等尺性筋張力を経時的に測定した.筋疲労試験は,4秒間on,15秒間offの間欠刺激で施行した. 【結果】最大筋張力F_<PEAK>は,2群間で統計学的に有意差はなかった.疲労試験最終時においてLFS群で平均2.51±0.40N, CLPS群で平均3.37±0.44Nであり,CLPS群で有意に張力は大きかった.F_<4sec>は筋疲労試験開始時において,有意な差はなかった.疲労試験最終時において,LFS群で平均2.07±0.30N, CLPS群で平均2.42±0.30NでありCLPS群で有意に張力が大きかった.Percentage of initial F_<PEAK>の経時的推移は,LFS群,CLPS群とも時間が経過するにつれてCLPS群の値がLFS群のそれよりも大きくなり,両者の経時的推移に有意差を認め,CLPS群で有意に筋疲労が小さかった.Percentage of initial F_<4sec>,の経時的推移は,有意差はなかった.Percentage of initial FTIの経時的推移は,CLPS群で有意に大きかった. 【結論】4秒間の長時間持続刺激でもcatch-like propertyが認められることが判明した.この結果は,catch-like propertyをFESにおいてより長時間の持続刺激で用いるために有益となる.
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