研究課題/領域番号 |
14571361
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 客員助教授 (30344451)
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研究分担者 |
片岡 一則 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00130245)
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40282660)
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キーワード | 遺伝子導入 / 遺伝子ベクター / 高分子 / ミセル / DNA / 蛍光エネルギー移動 / レーザー共焦点顕微鏡 |
研究概要 |
1)レーザー共焦点顕微鏡によるベクターの細胞内動態の観察ポリエチレンイミン(PEI)を対象に、fluorescence resonance energy transfer(FRET)を用いる手法により、その遺伝子発現に至る細胞内メカニズムを解析したところ、特に直鎖型PEIにおいて、エンドソームからのescape後、細胞質内でのDNAのベクター粒子からのdissociation、DNA decondensationが迅速かつ効率的に起こり、高い遺伝子発現と密接に相関することが観察された。一方、構造異性体である樹状型PEIでは、ベクター粒子からのDNA dissociationに乏しく、遺伝子発現も低かった。これは動的光散乱等にて評価される粒子の構造的特徴とよく関連した(投稿中)。 2)ブロック共重合体合成遺伝子ベクターに求められる機能として、このカチオンからのDNA dissociationの起こりやすさ、生体内環境での安定性にはやや相反する要素があり、これを解決する手法として、カチオンのブロック共重合体により形成される高分子ミセルの可能性がさらの認識された。そのため、PEI同様のエンドソーム溶解機能、および構造的安定性を併せ持つカチオンをベースとしたブロック共重合体を10種以上新規に合成し、現在その物性、生物学的機能を解析中である。 3)生物学的機能評価蛍光標識DNAを用いた検討で、高分子ミセルの細胞への取り込みは非常に星好であった。さらに、ミセルによる遺伝子導入では、他のベクターと比べ長時間持続的に高い遺伝子発現が得られ、ベクター粒子の細胞内外での安定性、および細胞毒性の低さと密接に関連することが分かった。
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