研究課題/領域番号 |
14571362
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
滝川 一晴 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80360866)
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研究分担者 |
岡崎 裕司 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30241988)
平岡 久忠 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (10262007)
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 寄附講座教員(常勤形態) (30344451)
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
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キーワード | 先天性脛骨偽関節症 / 小児難治性疾患 / 骨形態計測 / 破骨細胞 / ランクリガンド |
研究概要 |
1)我々はまず過去の自験例8例の手術標本を用い組織学的に本疾患の病態生理を検討した。偽関節部はいずれの症例でも、介在する線維性軟骨により骨の連続性が絶たれていた。また骨・軟骨は多数の多核巨細胞が混在する線維芽細胞様細胞により浸食されていた。多核巨細胞はTRAP陽性、vitronectin receptor陽性であり破骨細胞と考えられた。 2)骨形態計測を行うと偽関節部では破骨細胞数(N.Oc/BS)=2.66+/-0.92[/mm](mean+/-SD),破骨細胞表面(Oc.S/BS)=10.67+/-4.86%であった。比較対照群とした成人の外傷性偽関節組織(n=7)ではN.Oc/BS=0.62+/-0.33[/mm],Oc.S/BS=2.28+/-1.20%であり、先天性脛骨偽関節症では破骨細胞形成が亢進していることがわかった。 3)さらに手術時に切除した偽関節組織をコラゲナーゼ・ディスパーゼ処理し線維芽細胞様細胞を調整した。この細胞におけるランクリガンド(破骨細胞形成のマスター分子)の発現をRT-PCR法を用いて調べると、先天性脛骨偽関節症では外傷性偽関節にくらべてランクリガンドの発現が亢進していることがわかった。同様の知見は抗ランクリガンド抗体を用いた免疫組織化学によっても確認された。 以上の検討より先天性脛骨偽関節症ではその偽関節部において破骨細胞形成のマスター分子であるランクリガンドの発現が亢進し、その結果破骨細胞形成が促進されていることが明らかとなった。これらの破骨細胞は骨・軟骨組織を浸食し正常な骨癒合を妨げていることが推測された。
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