研究課題/領域番号 |
14571378
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
萩野 浩 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (80208412)
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研究分担者 |
片桐 浩史 鳥取大学, 医学部, 助手 (60304226)
岡野 徹 鳥取大学, 医学部, 講師 (60252871)
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キーワード | 骨粗鬆症 / 骨脆弱性骨折 / 骨折危険因子 / QOL |
研究概要 |
1.骨粗鬆症関連骨折危険因子の検討 橈骨遠位端骨折を対象に、患者対照研究からその危険因子を明らかとした。その結果、外出頻度が多いこと(Odds比3.20)や、休まずに歩ける距離が長いこと(Odds比1.53)が有意な骨折の危険因子であった。さらにベッドではなくふとんでの就眠は予防的な因子(Odds比0.55)であった。同様の調査を行った上腕骨近位端骨折では、橈骨遠位端骨折とは対照的に歩行能力が高いことが有意な予防的な因子(Odds比0.14)であった。しかしいずれの骨折においても易転倒性は有意な骨折危険因子であった。 2.骨粗鬆症患者のQOLの検討 骨粗鬆症性骨折を生じた45歳以上の女性を対象としてQOLの経時的変化を観察した。対象患者の年齢は48〜91歳(平均73.5歳)で、骨折の内訳は脊椎骨折26例、大腿骨頚部骨折23例、橈骨遠位端骨折29例で、受傷前に独歩可能な症例を対象とした。QOL評価にはEuroQol(EQ-5D)を用い、移動の程度、身の回りの管理、ふだんの活動、痛み/不快感、不安/ふさぎ込みの5項目について3段階で評価した。その結果、椎体骨折群のQOL値は骨折前平均0.89が、骨折後0.50、3ヵ月後0.75、6カ月後0.74で、骨折によって44%低下し、6ヵ月の時点でも17%低下していた。大腿骨頚部骨折群では骨折前平均0.74が、骨折後0.39、3ヵ月後0.60、6ヵ月後0.60で、骨折によって48%低下し、6カ月の時点でも20%低下していた。橈骨遠位端骨折群では骨折前平均0.91が、骨折後0.70、3ヵ月後0.83、6ヵ月後0.80で、骨折によって23%低下し、6ヵ月の時点で16%低下していた。
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