研究課題/領域番号 |
14571382
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
加藤 真介 徳島大学, 医学部, 助教授 (30243687)
|
研究分担者 |
中野 俊次 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (60294683)
西良 浩一 徳島大学, 医学部, 講師 (10304528)
安井 夏生 徳島大学, 医学部, 教授 (00157984)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
キーワード | 脊髄損傷 / 細胞移植 / 二次障害 / 嗅神経 / 脱髄 |
研究概要 |
損傷脊髄の機能回復の戦略としては失われた神経細胞を補充する戦略が現在の主流であるが、最も再建すべき対象は長索路であり、これは局所に神経細胞を補填したからといって得られるものではない。現在、長索路を直接再建する有効な方法はまだない。ただ、神経幹細胞をはじめとする神経細胞移植によって長索路機能の回復が見られるのは事実である。おそらくこれは長索路そのものの再建によるものはわずかに過ぎず、多くは残存する軸索に対する効果や、下位の脊髄にあるcentral pattern generatorに対する効果であることが推察できる。 まず、細胞移植の母床側の環境整備の観点から、機械的損傷後の二次的な血管内皮障害に注目し、その軽減策を検討した。その結果、cyclooxygenase-2の産生抑制やPG I_2,、PGE投与により、血管障害に続発する好中球浸潤の抑制をもたらし、その結果、損傷範囲の縮小、運動機能の改善をもたらすことが明らかとなった。すでに我々が報告しているように、臨床使用されているステロイドは損傷脊髄での神経栄養因子の発現を抑制する。今回検討した薬剤はいずれも臨床で使用されているもので、ステロイドのような神経栄養物質阻害効果が無く今後のこの方面での応用が期待できる。 また、残存軸索の再伸長の可能性を高めるために、その障害因子の検討を続けている。従来はグリア性の瘢痕が問題となっていたが線維性瘢痕について発現するコラーゲンを経時的に観察し、対策を検討中である。 さらに、脊髄損傷の原因となる椎体の生体力学的特性についての検討を進め、小児期の頚髄損傷の大きな特徴である明らかな骨傷のない損傷の原因としての椎体終板すべりの病態を明らかにした。
|