研究課題/領域番号 |
14571396
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
恵木 丈 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (00336778)
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研究分担者 |
小池 達也 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50271177)
伊藤 陽一 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (00326266)
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キーワード | アジュバント関節炎 / 脊髄損傷(Brown-Sequard症候群) / 骨代謝 / CRPS-1 |
研究概要 |
前年度に実施した、ラットでの脊髄損傷(Brown-Sequard)モデルと末梢神経切断モデルでの異所性骨形成能に差があることが判明した。この事実を踏まえ、また、この実験系を発展させるために、今年度は異所性に形成した骨や局所の骨密度計測・骨強度計測を施行し、またこの神経損傷モデルにアジュバント関節炎を発症させて、中枢神経の関節破壊への関与を骨代謝を通じて観察する予定であったが、結果の再現性が悪くデータを集積するに至っていない。一方、CRPS(complex regional pain syndrome)-1は神経原性の炎症で生ずる代表的疾患であるが、最近の報告ではCRPS-1罹患患者の当該上肢の静脈血中のTNF-α濃度が反対側よりも高いことが証明されており、神経原性疼痛下では局所のTNF-α分泌を介して破骨細胞を活性化させ、骨代謝に影響を及ぼしている可能性が示唆される。従って、今後は実験系を慢性疼痛疾患モデルに切り替えた上で、骨代謝について検索する方向がより実験系の構築を実現しやすいと考えられる。すなわち、第5/6腰椎神経根絞扼モデルであるChungモデルを用いる。これは痛覚過敏状態をもたらす一方で運動麻痺を示さないことから、特に交感神経依存性疼痛モデルとして優れており、また不使用性の骨萎縮も無いことから、支配神経に異常のある場合の骨代謝異常を知る上で本研究に向いていることが考えられる。このモデルでの骨代謝研究は殆ど成されておらず今後も発展性のある研究であるが、残念ながら研究代表者の転勤に伴い、本研究の途上での廃止を余儀なくされた。
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