研究課題/領域番号 |
14571401
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
仲尾 保志 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30188883)
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研究分担者 |
西脇 正夫 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90296640)
岡野 ジェームス洋尚 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90338020)
高山 真一郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40138045)
森澤 妥 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60306751)
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キーワード | 神経移植 / 組織工学 / 人工神経 / 再生医学 / 末梢神経 / ティッシュエンジニアリング |
研究概要 |
人工神経は、外径2mm、内径1mmのtube構造をした生体吸収性polymerで、内壁はpolycaprolactone(PCL)とpolylactic acid(PLA)の共重合体によるスポンジ構造よりなり、スポンジの孔径は、Schwann細胞(直径約30μm)のseedingが容易となるように平均50μmに調節した.その外周は、PLAの細い線維で編んだメッシュ構造で取り囲み、tube構造の維持を図った.Tubeの表面は、細胞の接着をよくするためtype 1 collagenでcoatingした. Wistar ratの坐骨神経からcollagenaze/dispazeを用いて分離培養したSchwann細胞を、12x10^5cells/mlの細胞浮遊液として、この生体吸収性polymerで作製した人工チューブにseedingした.これを培養系に移行して、CO_2 incubatorで48時間培養したところ、電子顕微鏡(SEM)で、大量のSchwann細胞がチューブ内に3次元培養されている様子が観察された.次に、Schwann細胞付加チューブを、Wistar ratの坐骨神経を切断して作製した20mmのgapに移植し、8週での組織学的に神経の再生を観察した.コントロールのsilicone tubeでは、切断神経間に架橋組織は見られず、一方、Schwann細胞をseedingしたチューブを移植した群では、全例でtube内腔に太い架橋組織が見られ、多数の再生有髄神経が誘導されていた. Schwann細胞を、人工チューブに有効にseedingすることができれば、自家移植神経片を凌ぐ能力を有したtissue engineered nerveが生まれると考えている.
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