研究課題/領域番号 |
14571401
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
仲尾 保志 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30188883)
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研究分担者 |
西脇 正夫 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90296640)
高山 真一郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40138045)
岡野 ジェイムス洋尚 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90338020)
森沢 妥 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60306751)
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キーワード | 神経移植 / 組織工学 / 人工神経 / 再生医学 / 末梢神経 / ティッシュエンジニアリング |
研究概要 |
ハイブリッド型人工神経の軸索誘導能力を高めるため、播種するSchwann細胞に、神経誘導因子の導入を試みた.この研究は、遺伝子の導入によって蛋白レベルでSchwann細胞の機能をコントロールし、神経再生能力の優れたSchwann細胞を播種することで、自家神経移植をしのぐハイブリッド型人工神経を開発することを目的としている.最初に、制限酵素で切り離した神経栄養因子であるcDNAを、サイトメガロウィルスプロモーターと蛍光色素のGFP遺伝子が組み込まれている非増殖型アデノウィルスベクターに組み込み、大腸菌内で相同組み換えをおこさせてコントラクトを完成させた.次に、これをヒト胎児腎由来細胞株293細胞に導入して培養した.約1週間で、GFPの発色が強くなった時点で、293細胞壁を破壊してウィルスを細胞外に放出させ、これを繰り返して濃縮を続けた.最終的に高濃度のウィルスを作製し、これをSchwann細胞にかけて感染させ、遺伝子導入を図った.神経栄養因子遺伝子導入Schwann細胞をウェスタンブロットで調べたところ、コントロールに比べて大量の神経栄養因子を発現していることが判明した.また、Schwann細胞の特異マーカーのS100蛋白も発現していることが確認された.この遺伝子導入したSchwann細胞を、生体吸収性のスポンジチューブ内に3次元培養したものを、ラット坐骨神経の欠損部に移植、再生軸索の経過を観察した研究では、遺伝子導入したSchwann細胞を含むハイブリッド型人工神経が、遺伝子導入しないSchwann細胞を含む人工神経よりも、多くの再生神経を誘導していた.
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