研究課題/領域番号 |
14571404
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
柳本 繁 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60166551)
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研究分担者 |
藤田 貴也 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10296642)
堀田 拓 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50255494)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 人工関節 / インターフェース / 表面形状 / 長期固定 / ハイドロキシ・アパタイト・コーティング |
研究概要 |
骨・人工関節間インターフェースとして現在臨床使用中のKKS人工股関節の固定性についての臨床報告を行った。 次の新しい骨・人工関節間インターフェースについて検討した。これはチタン薄板をエッチング処理により網の目状にして(L.E.T.: lamellar etched titanium)、各面をずらしつつ10層重ねることによりmulti-layered meshed structureを実現し、空間的に孔の連続性を確実に持たせることより新生骨の侵入により強固な固定力が得られることが大きな特徴である。また最深部層に至るまで各層ごとに目詰まりなく、Hydroxy-Appatite coatingが可能となり、早期の骨侵入が期待できる。 表面にL.E.T.加工を施したチタン合金製犬用人工股関節(Hydroxy-Appatite coating)及びコントロールとして従来型の表面Beads加工犬用人工股関節を準備した。全身麻酔下に雑種成犬の股関節にそれぞれの人工股関節を設置し回復後歩行下での飼育を行った。3・6・10週、6ヶ月、12ヶ月(各6頭ずつ、LET群30頭、Beads群30頭)に屠殺し大腿骨近位部をインプラントごと回収し骨誘導能について以下の評価を行った。(1)H-E染色切片を作成し光顕での骨侵入度、骨成熟度の評価。(2)標本中のコンポーネント部分にのみ圧負荷をかけ破断圧の測定から骨侵入後のコンポーネントの固定性の評価。(3)走査電子顕微鏡で破断部の骨新生状態の評価である。 骨侵入の組織学的検討と力学的posh-out testともに新しいインターフェス(LET処理によるHydroxy-Appatite coating multi-layered meshed structure)が従来型Beadsインターフェースより早期の骨侵入、十分な骨成熟、力学的固定力の強化を示した。骨との強固な固定が得られることより、新しい構造が人工関節インターフェースとしてきわめて有用であることが動物実験により確認された。
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