研究課題/領域番号 |
14571416
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小池 薫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10267164)
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研究分担者 |
小林 哲幸 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (50178323)
相星 淳一 日本医科大学, 医学部, 助手 (50256913)
篠澤 洋太郎 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30129465)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 腸管 / 虚血 / 再灌流障害 / 脳障害 / 出血性ショック / 磁気共鳴スペクトル法 / 代謝 / 磁気共鳴イメージング |
研究概要 |
1.磁気共鳴スペクトル法(MRS)は組織代謝の変化を理解するのに役立つ。我々はこの技術を用いて、小腸虚血・再灌流(IR)が脳に及ぼす影響を調べた。[In vivo ^<31>PMRS]小腸^<IR>(45分の上腸間膜動脈血流遮断)に対してすべてのラットは生存した。IR群では2日目に、PMEおよびPDE領域に含まれるリン化合物群が高値を示した。PME領域はphosphocholine、phosphoethanolamineなどを、PDE領域は細胞膜変性を示す。IR群、コントロール群ともにpHの低下が見られたが、手術や麻酔により乳酸などの酸性物質が作られた可能性がある。[In vitro ^1H MRS] IR群では5日目にN-acetylaspartate、creatines、myoinositol、lactate、alanineが上昇した。これらのデータは小腸IRが脳代謝に影響を及ぼしたことを示す。 2.出血性ショック後の腸管リンパ液(ML)が好中球に及ぼす生物学的活性 腸間膜リンパ管の結紮により、出血性ショックに続発する肺障害の出現が予防されることが報告されている。我々は出血性ショック後のMLが好中球を活性化させるかどうかを検討した。ラットに出血性ショック(平均動脈圧40mmHg,30分間)を行ない、その後2時間かけて脱血した血液と2倍量の生理食塩水で蘇生した。蘇生開始後1-2時間目の間に採取したMLを用いて,(1)正常ラット好中球の活性酸素産生能からみたprimng、(2)Na_2^<51>CrO_4でラベルした好中球のフィブリノーゲンに対する粘着能、(3)フローサイトメトリーによるCD11b接着分子の発現、を検討した。出血性ショック群のMLは好中球の活性酸素産生能、接着能、CD11b接着分子発現量を増加した。腸管リンパ液は多臓器機能低下症候群発生に重要な役割を演じている可能性がある。
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