1)日帰り(1泊後帰宅も含む)全身麻酔患者の術後24時間の不快症状について検討した。術後には咽頭痛や術後痛などの高頻度に発生する不快症状が存在した。 2)全身麻酔下短期滞在乳癌手術における術後回復期の心拍変動(HRV)に及ぼす麻酔方法の影響を検討した。プロポフォール麻酔後はセボフルラン麻酔後に比べて、高周波数領域パワー(HF)が高く、低周波数領域パワー(LF)/HF比が低かった。 3)脊髄くも膜下麻酔からの回復を心拍変動(HRV)を用いて検討した。脊髄くも膜下麻酔導入によりHRV高周波数領域パワー(HF)は増加したが、痛覚および運動機能回復とともに回復した。 4)日帰り子宮鏡手術患者における亜酸化窒素併用セボフルラン吸入による麻酔導入と維持(VIMA)の術後悪心嘔吐に及ぼす影響を検討した。亜酸化窒素併用VIMAは術後嘔気頻度を増加させた。 5)ラット培養気管繊毛上皮細胞を用いて吸入麻酔薬セボフルランの繊毛運動に対する影響を検討し、イソフルランおよびハロタンと比較した。イソフルランおよびハロタンは繊毛運動を濃度依存性に著明に抑制するのに対し、セボフルランには繊毛運動抑制作用は殆ど認められなかった。 6)ラット培養気管繊毛上皮細胞を用いて静脈麻酔薬ケタミン、チオペンタール、ミダゾラムおよびペントバルビタールならびに麻酔補助薬デクスメデトミジンの繊毛運動に対する影響を検討した。チオペンタール、ミダゾラムおよびデクスメデトミジンは繊毛運動に影響しなかった。高濃度ケタミンで繊毛運動が亢進した。ペントバルビタールでは繊毛運動が抑制された。
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