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2004 年度 実績報告書

有明海由来ビブリオ・バルニフィカス菌の病原性および抗体検査法による感染動態調査

研究課題

研究課題/領域番号 14571446
研究機関佐賀大学

研究代表者

中島 幹夫  佐賀大学, 医学部, 教授 (80159061)

キーワードVibrio vulnificus / 壊死性菌膜炎 / 敗血症性ショック / 有明海 / 肝機能障害 / パルスフィールド / 16RsDNA / 血清抗体価
研究概要

わが国でのVibrio vulnificus感染症患者は、有明海沿岸で多発するためC型肝炎対策と並んで地域医療の重要な課題である。昨年度までに本感染症への免疫能を知る指標として、Vibrio Vulnificus菌に対する血清抗体価測定システムを開発し、健常人の抗体価の有無について調査を行い、今年度はこの実用化に向けて患者血清中の抗体価と病勢との推移について、これまで5症例で検討をおこなった。
【方法】
Vibrio vulnificus標準株10株をもとに、患者の承諾を得てmicro-IFアッセイ法による血清抗体価を、4名の患者で測定した。
【結果】
死亡した2症例では、発病時、血清抗体価が40倍以下と低値を示した。約1ヶ月経過後の測定では、標準株のうちの2株に対する抗体価が80倍以上に増加した。一方、発病したものの比較的軽症例2例では、上記の菌株に対する血清抗体価が80倍以上あり、1ヶ月後には共にさらに抗体価の上昇を認め、特定の菌株に対する抗体価の推移は、本感染症の病勢の推移と一致した。
【考察】
今回使用した10株の標準株の内、病勢と一致した2株については、本感染症に対する免疫能を知る上で臨床応用できる可能性がさらに高くなった。次年度もさらに症例を重ねる予定である。
さらに、最終年度である次年度は、この2株と他の菌株との相違、有明海環境株と患者から同定された病原株につて16RsDNAにより、遺伝子学的な菌の分類を行い、結果をまとめて投稿する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] わが国におけるVibrio vulnificus感染症の発生動向と有明海沿岸地域の状況2005

    • 著者名/発表者名
      中島幹夫 他
    • 雑誌名

      佐賀大学有明海綜合研究プロジェクト成果概要集 1

      ページ: 18-19

  • [雑誌論文] ビブリオ・バルニフィカス標準株に対する抗体価測定システムの開発2005

    • 著者名/発表者名
      荒木和邦, 中島幹夫, 三溝慎次
    • 雑誌名

      佐賀大学有明海綜合研究プロジェクト成果概要集 1

      ページ: 66-67

  • [雑誌論文] 救命し得たVibrio vulnificus敗血症の1例2004

    • 著者名/発表者名
      小林由実 他
    • 雑誌名

      臨牀と研究 81・2

      ページ: 299-302

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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