33度の実験的低体温がラット酸誤嚥ALIモデルでICAM-1の発現を抑制し好中球集族を抑制し肺酸素可能を改善する良好な結果が血液ガス、肺組織、MPO活性、ICAM-1の発現量から証明できた。これは臨床応用可能な程度の軽度低体温が炎症過程をもジュレートするためALIを軽減することを示し、ARDS患者への軽度低体温治療の可能性が示唆された。また次に、臨床的には経度低体温と同等の効果を有する治療法の開発も必要であるため炎症のモジュレートのみでなく、内因性の防御因子の増強によるALI防御機能も治療法となりうるため、熱ショック蛋白の誘導が肺障害の治療に有用か否かの研究をおこなった。近年、肺の機械的ストレッチや加圧は急性肺障害ALIを引き起こすが同時に防御因子とし熱ショック淡白HSP70も誘導するとされている。今回SDラットを使用して機械的換気肺障害モデルでのHSP70誘導を調べ温熱負荷が肺保護作用を有するか否かを検討するための基礎的実験をおこなった。3群:non-ventilated (anesthesia alone) control group (NVC);PAP 15cmH_2O group (P15);and PAP 30cmH_2O group (P30).に分け30分の人工換気P30グループで細気管支細胞、subepithelial tissuesで12時間後HSP70の蛋白・mRNA発現が増強していることが判明し、ALIの予防、治療に応用できる可能性が示唆された。続いて臨床的に簡便に使用できる治療法とし薬物治療で軽度低体温と同等の効果を有する治療法を開発するため人urinary trypsin Inhibitor (Urinastatin UTI)のオレイン酸誘導ALIへの効果を調べた。UTIは(TNF)-aを抑制し酸投与4時間後のALI改善効果を肺組織、血液ガス、MPO活性、TNFα発現量から示し低体温と同様の肺の炎症をモジュレートする効果があることが判明した。
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