研究概要 |
これまで、ラットを使用して、気腹圧の調整による人工呼吸との関連で検討を行ない、安定した循環動態が遂行できる気腹モデルを作成した。その結果、気腹圧を8mmHgに一定として、経時的な変動を検討した。次に腹圧に従い腹部臓器血流との変化と時間経過の検討を行なった。胃や小腸など管腔臓器より肝臓や,腎臓などの実質臓器による血流減少が著明であることを、臓器血流法であるマイクロスフェアー法を使用して証明した。また、腹膜の拡張刺激によると考えられる、抗利尿ホルモンの上昇を気腹後直後より認め、その後も有意に上昇することを認めた。動脈血pHが全身状態を反映するのに対して、組織酸素需要を明確に把握する指標である胃粘膜内pHを、動物の気腹モデルで安定した測定が可能であることを確認した。生体の侵襲反応を評価するのに、各種メディエーターのmRNAレベルで発現をみることが有用であり、今日、PCR法を用いることで可能であるため、このモデルでの測定を予定している、TNF-α mRNAやIL-1β、IL-6が逆転写Polymerase Cbaoin Reaction (RT-PCR)にて発現し測定可能であることを当研究室の設備を使用して、他の動物実験モデルで確認した。
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