研究課題/領域番号 |
14571454
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
垣花 学 琉球大学, 医学部, 助教授 (20274897)
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研究分担者 |
川端 徹也 琉球大学, 医学部附属病院, 助手 (30325857)
笹良 剛史 琉球大学, 医学部附属病院, 助手 (80225903)
原田 秀樹 久留米大学, 医学部, 講師 (30198923)
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キーワード | 脊髄虚血 / 脊髄電気刺激療法 / 脊髄血流量 / 虚血耐性 / 対麻痺 |
研究概要 |
ラット大動脈遮断による脊髄虚血モデルを用い、脳・脊髄電気痙攣による虚血耐性に関する研究を行った。脳電気痙攣療法による痙攣を誘発することが困難であったため、脊髄硬膜外電気刺激による虚血耐性獲得に関する研究を行った。雄性SDラット(350-400g)を用い、硬膜外刺激電極(銀製)を挿入した。その5日後に、脊髄刺激電極より電気刺激(矩形波、5mA、10秒間)を与えた。虚血耐性は、急性タイプ(電気刺激後30分)と遅発タイプ(電気刺激後24時間)に関して実験した。脊髄虚血時間は、6分間から11分間(1分間隔)で行い、ZivinらのLogistic解析法により50%のラットが対麻痺を来たす虚血時間(P50)を求め、比較した。その結果、電気刺激30分後に脊髄虚血を与えた場合のP50は7.2分であり、電気刺激なし群(P50=7.6分)と有意差はみられなかった。一方、電気刺激24時間後に脊髄虚血を与えた場合のP50は9.1分であり、電気刺激なし群より有意に長くなった。また、電気刺激24時間後の大動脈遮断時の脊髄血流量をレーザー血流計を用いて測定したが、刺激群と刺激なし群では脊髄血流量に有意差が認められなかった。さらに、9分間の脊髄虚血における硬膜外電気痙攣療法の虚血耐性効果の検討を行ったところ、電気刺激30分後では脊髄虚血耐性は認められなかったが、電気刺激24時間後では有意に虚血耐性が認められた。以上のことから、脊髄電気痙攣療法により脊髄虚血耐性は認められたが、それは急性タイプではなく遅発タイプの耐性効果であった。さらにその耐性効果は脊髄血流量に依存するものではなく、おそらく蛋白合成(HSP,栄養因子など)に依存するものであることが推測された。
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