研究概要 |
平成15年度はPLC delta 1,2 knock out mouseを用いた神経細胞死との連関およびDNA chipによる細胞死実行経路に関与すると思われる新規遺伝子の捕捉を目的とした。C57B6マウスを用いた12分間の全脳虚血モデルを作成した。また、PLCdelta 1,2 knoock out mouseに対しても同様の実験を施行した。通常のマウス(Wt tupe)およびPLC delta 1,2 knock out mouse間において海馬CA1における遅発性神経細胞死において有意差を認めなかった。Wt typeは海馬CA1に85%の遅発性神経細胞死を誘発し、PLC delta1,2 knock out mouseも82%の遅発性神経細胞死を誘発した。DNA chipによる遺伝子解析実験は、CsA投与群と非投与群の間における遺伝子発現の違いを経時的に解析を行った。約14,000の遺伝子発現に差を認めた。特に、受容体の遺伝子、Heat shock蛋白、ミトコンドリアおよびリドソーム機能に関連した遺伝子等の発現の増強が認められた。 今回の結果より、虚血性神経細胞死が多様な遺伝子発現によって制御されている可能性が示唆された。本研究により得られた結果は虚血性神経細胞死実行経路の解明に重要な役割を担うものと思われる。
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