研究概要 |
今回我々は静脈内麻酔薬であるPropofol(2,6-di-isopropylp henol)の投与によりラットの中枢神経におけるc-fos mRNAの発現にどのような影響があるのかついて検討した。 8週齢のSD系雄ラットを12時間明期/12時間暗期の生理的明暗環境下で飼育したのち、暗期開始2時間前より暗期開始1時間後または2時間後までPropofolの投与を行った。in situ hybridizationはSimmonsらの方法に従って35S標識antisense RNA probeを用いて行った。 平成15年度 Propofolの投与により正中視床核群のCentral Medial Nucleus, Rhomboid nucleus, Nucleus Reuniensにc-fos mRNAの発現が見られることが明らかとなった。これらの核はベンゾジアゼピン系睡眠薬であるジアゼパムなどにより活性化されることから、Propofolの催眠作用がmidline thalamic nucleiの活性化をもって発揮されるものと考えられた。くわえて、Propofolはベンゾジアゼピン系の薬剤同様にラットの日内リズムのPhase advanceおよびPhase delayに影響を与えるものと考えられた。
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