研究課題/領域番号 |
14571478
|
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
渡邉 誠之 久留米大学, 医学部, 講師 (10201196)
|
研究分担者 |
金子 真也 久留米大学, 医学部, 講師 (00224600)
原 将人 久留米大学, 医学部, 助手 (10330862)
山田 信一 久留米大学, 医学部, 助手 (90258484)
加納 龍彦 久留米大学, 医学部, 教授 (50040605)
|
キーワード | 冠攣縮 / 血小板凝集能 / 自律神経 / 周術期 / 心筋虚血 / ビデオデンシトメトリー |
研究概要 |
今年度は心筋血流量ゆらぎ解析データ収録を行うためのA-D変換波形認識装置の開発と血小板凝集能機能評価のための基礎実験を行った。 1.心筋内血流経時的解析の心筋内コントラスト超音波検査とビデオデンシトメロリーの構築 これまで、局所コントラスト濃度評価には60フレームの解析が限度であったため、数秒の血流解析しか出来なかった。今回心臓超音波検査装置から一秒間に30枚のアナログ画像出力を録画後、オフラインでデジタル画像に変換した(PCI1411)。その後関心領域のみの粒子解析およびその結果を数値配列で表現するシステムを構築した(LabViewおよびIMAQ)。これにより局所心筋血流評価のための濃度解析が毎秒10フレーム程度の解析処理を行い長時間におよぶ観察と評価が可能になった。来年度は単に時間当たりの処理画像枚数の増加とゆらぎ解析のためのデンシトメトリーの時系列解析機能を現システムに追加構築したい。 2.周術期全血測定によるScreen Filtration Pressure法を用いた血小板凝集機能評価 これまでの冠攣縮発生時における血小板凝集能測定では、血小板を分離する必要があり重力による血小板機能障害を避けることが出来なかった。冠攣縮時の抗凝固療法のヘパリンおよびその拮抗薬であるプロタミン複合体の血小板凝集能に与える影響を検討した。開心術を予定した18名を対象とした(冠動脈再建術10名、弁置換術8名)。体外循環前に3000単位/kgのヘパリン投与を行い、体外循環離脱後1.7倍量のプロタミンを投与した。血小板凝集能測定は1uM,8uMのADPを用いた。プロタミン投与後血小板凝集能がCABG群(61%から16%)Valve群(46%から5%)とも低下した。この低下は手術終了時まで継続した。一方、体外循環を使用しないオフポンプバイパス術において1000単位/kgのヘパリン投与を行い、体外循環離脱後1.0倍量のプロタミンを投与した。プロタミン投与後血小板凝集能がオンポンプ群(n=7、49%から11%)オフポンプ群(n=14、94%から52%)とも低下した。しかし、手術終了時にはオフポンプ群(70%)はオンポンプ群に比較し有意に回復した。大量抗凝固療法が不可能な周術期冠攣縮治療において低容量のヘパリン-プロタミン複合体が血小板凝集能を抑制し続発性の冠攣縮発生予防の可能性を示す。
|