ヒスタミンの受容体はH1〜H4までの4種類の受容体が見つかっている。モルモットの一次感覚ニューロンにおけるH1受容体(H1R)の発現パターンをin situハイブリダイゼーション法により解析した。その結果、後根神経節や三叉神経節の約20%のニューロンがH1RmRNAを発現していた。これらのニューロンは興奮性の神経ペプチド(SP及びCGRP)を含有しておらず、カプサイシンにも感受性を示さなかったが、無髄神経のマーカーであるイソレクチンB4(IB4)に陽性を示した。一方、迷走神経下神経節では、H1RmRNAを発現するニューロンは認められなかった。これらの結果は、これまで知られているヒトやラットにおける結果と部分的に異なっていた。次に、ラットの感覚神経節におけるH1Rの発現パターンを免疫組織化学法を用いて検討した。ラットの後根神経節と三叉神経節において、H1Rに陽性を示すニューロンは25〜30%程度存在しており、これらのニューロンもまたIB4に陽性であった。後根神経節の連続切片を用いてSP及びTRPV1(カプサイシン受容体)との共存を検索したところ、H1R陽性ニューロンの一部はSPやTRPV1にも陽性を示した。迷走神経下神経節においても約20%の細胞がH1Rに陽性を示した。このようにH1Rの感覚神経における発現パターンはラットとモルモットで異なっていることが示唆された。
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