研究課題/領域番号 |
14571481
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
高橋 信好 弘前大学, 医学部, 助教授 (20163280)
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研究分担者 |
盛 和行 弘前大学, 医学部, 助手 (40266903)
川口 俊明 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (20204696)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | ラット腎移植後急性拒絶反応 / NO / i-NOS / ONOO^- / MnSOD |
研究概要 |
最近、Nitric Oxide(NO)産生酵素の一つであるInducible Nitric Oxide Synthase(i-NOS)が、実験的腎移植の拒絶反応時に大量に誘発されている事実があきらかにされ、移植腎組織内でのNO産生の亢進(ONOO^-、Peroxynitrite)が組織障害の誘因の一つと考えられている。一方、近年、慢性拒絶反応におけるラジカルスカベンジャーであるManganese Superoxide Dismutase(MnSOD)の体内動態とPeroxynitrite、および組織障害との関連が特に注目されている。しかし、急性拒絶反応での詳細については未だ不明でありたその動態の解明は不可欠と思われる。そこで、今回ラット同腫腎移植による急性拒絶反応モデル(alloラット)を用いi-NOSて、NO産生亢進による組織、細胞障害の清を明らかにした。次に、i-NOS阻害剤のAminoguanidine(AG)投与によるNO代謝産物の産生阻害に基づいた組織細胞障害度の差異を明らかにし、早期治療、予防の可能性について検討を加え以下の結論を得た。 ラット同腫腎移植拒絶反応では、組織におけるi-NOS活性の著しい上昇に伴い、血中NOの著明な増加が認められ、Banff分類のGrade3に相当する重篤な組織障害が示された。この際、測定し得た組織内のMnSOD活性は著しく低下しており、組織内における不活性されたチロシンニトロ化MnSODの明らかな増加が認められた。これによりNOの最終代謝産物であるNitrotyrosineの尿細管への蓄積により、組織障害の悪循環が誘発されている可能性が示唆された。一方、i-NOS阻害剤のAG投与により、血中NOの上昇は抑制され、腎機能も温存された。組織学的にも、組織、細胞障害の程度が著しく軽減されたことより急性拒絶反応に対する早期治療、予防の実現の可能性が期待された。
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