研究課題
基盤研究(C)
高脂血症治療薬のstatinはphosphatidylinositol-3kinase (PI3K)/Akt系を介するNOの遊離が示されている。本研究では海綿体機能を特に血管内皮機能を中心とした検討を行い、インスリン抵抗性を示すZuckerラットに一酸化窒素合成補酵素である臭化ビオプテリン(BH4)ならびにstatinを投与してインスリン作用と内皮型NO合成酵素(eNOS)の活性化について解析した。【方法】A)BH4は通常の8、25週齢のWistarラットに経口6週間投与で検討を行った。B)スタチン投与モデルは1)16週齢Zucker対照ラット(C群)、同肥満ラット(Fa群)、ならびに生後12週から4週間、fluvastatin 5mg/kgを投与した肥満ラット(S群)の海綿体機能を電気刺激により検討した。2)海綿体を摘出し、eNOSやAMによるAktリン酸化をWestern blotにより解析した。【成績】A)BH4投与では8週齢においてはBH4非投与群と投与群間で勃起機能や海綿体NO合成能に変化を認めなかった。25週齢では勃起能の改善を認めた。またNO合成能に関して1.7倍の合成亢進を認め、高齢群で海綿体機能の改善が認められた。B)次にスタチンを投与したモデルでは、1)電気刺激による海綿体内圧はC群に比べFa群で減弱していたが、S群はC群と同程度であった。2)Western Blotでの検討で、eNOSはFa群に比べS群で1.6倍に増加し、AM10-7M 15分刺激時のAktリン酸化はFa群でC群より低下していたが、S群はFa群の約1.5倍に増加した。このAktリン酸化はLY前投与にて3群とも抑制された。BH4は高齢ラットモデルにおいてNO合成能を改善した。またstatinはZuckerラットにて内皮依存性血管拡張反応を改善した。
すべて 2001
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Peptides 22(11)
ページ: 1913-1918
Peptides. Volume 22(11)