研究概要 |
【目的】IGF-1/FGF-2といった増殖因子はautocrine/paracrine機構を介して前立腺組織の発癌、増殖との関与が示されている。今回、我々はprobasin promotor下に前立腺にIGF-1またはFGF-2を発現するトランスジェニックマウス(Tg)を作製し前立腺組織の変化を各lobe毎に解析した。【方法】IGF-1/FGF-2 Tgは前者はF1,後者はFOを解析した。各lobeの腺管の面積はMorphometerにて測定した。【結果】IGF-1 Tgではventral lobe(VL),dorsal lobe(DL), lateral lobe(LL)の腺上皮にIGF-1を発現、IGFBP-3をventral lobe腺上皮に発現し、それらの腺管、内腔は増大していたが、腺上皮の増殖はみられなかった。Anterior lobe(AL)ではIGF-1を発現せず、形態変化はなかった。FGF-2 TgではVL,DL,LLにFGF-2,FGFR-2の発現を認めた。DLの腺上皮過形成を認め、VLの腺上皮増殖を伴わない腺管、内腔増大を認めた。LL,ALでは形態変化はなかった。【結論】増殖因子の種類によって前立腺に異なった組織学的変化がもたらされた。
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