研究概要 |
1)セルトリ細胞間の接着の形態学的検討 今回使用した不死化セルトリ細胞では細胞間にTight Junctionを形成するが、この形成の変化を培養条件を変えることにより免疫細胞染色および電子顕微鏡で検討した。培養温度を33度および39度に変化させて培養したところ、39度で培養したほうがTight Junctionの形成が強かった。ライデッヒ細胞で同様の検討を行ったが、Tight Junctionの形成は明らかではなかった。 次年度はライデッヒおよびセルトリ細胞の細胞間相互作用の解明のためライデッヒおよびセルトリ細胞を共培養し、細胞間の接着を免疫細胞染色および電子顕微鏡で検討する。また、共培養した際のそれぞれの細胞マーカーを単独で培養した際との変化をRT-PCRおよびELISA法で検討する。 2)ライデッヒ細胞の分化誘導時に変化する遺伝子群の解析 ライデッヒ細胞を39℃で培養すると細胞増殖が抑制され,17β-HSD type 1 mRNA量の増加と17β-HSD type 3 mRNA量の減少および形態変化が観察された.この17β-HSD mRNAの発現量の変化は,新生児期のライデッヒ細胞の分化の過程に類似していた。この分化の過程で2倍以上変動する遺伝子をAtlassマイクロアレイで解析した結果,1,081個の遺伝子の中で25個の遺伝子発現が増加し,7個の遺伝子発現が減少した.Tie2,zinc transporter 4とgalanin receptor 1は各々13.5,8.3と7.9倍の増加を認めた。 次年度は変化のあった遺伝子のうち細胞間の接着に関与するものを選んで、さらにその発現の変化を経時的に追うなどの検討をする
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