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2003 年度 実績報告書

前立腺癌骨転移の分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14571491
研究機関金沢大学

研究代表者

越田 潔  金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (70186667)

研究分担者 並木 幹夫  金沢大学, 医学系研究科, 教授 (70155985)
小川 智  金沢大学, 医学系研究科, 教授 (90283746)
江川 雅之  金沢大学, 医学系研究科, 助手 (70313640)
キーワード前立腺癌 / 骨転移 / ホルモン不応性 / ビスフォスフォネート
研究概要

LNCaPを低アンドロゲン環境下に6ヶ月間継代しLNCaPのホルモン不応性株:LNCaP-SFを樹立した。LNCaP-SFをマウス骨に注入したところ、約10週でosteoblastic changeを主体とした骨腫瘍を形成した。ついで破骨細胞の活性抑制作用をもつビスフォスフォネートの抗腫瘍効果を検討した。In vitroにおいては濃度依存的、時間依存的に細胞増殖抑制効果が認められた。DNA fragmentation、および核の凝縮像(タネル染色陽性)が認められ、アポトーシスの関与が示された。Bcl2の抑制およびBaxの発現増強が認められ、濃度依存的にbcl-2/bax ratioの低下が認められた。さらにカスパーゼ3の活性化が認められ、カスパーゼ3のinhibitorを投与すると、殺細胞効果は抑制され、ある程度アポトーシスが回避されることが示唆された。ついでDNAの修復に促進的な作用を持つpoly(ADP)-ribose polymerase(PARP)の変化を検討したところ、ビスフォスフォネートの濃度依存的に分解されることが示され、アポトーシス関連因子の一連の動きが部分的ではあるが解明された。さらにビスフォスフォネートの投与により、receptor activator of nuclear factor кB ligand(RANKL), parathyroid hormone related protein(PTHrP), matrix metalloprotease-2(MMP-2)の抑制が認められ、これらの変化は破骨細胞の活性化の抑制、骨基質への細胞浸潤の抑制につながることが考えられ、いずれも転移巣の成立、進展を阻止するメカニズムを説明しうる変化と考えられた。ついでLNCaP-SF細胞をマウス骨(tibia)に移植し、1週目より第3世代のビスフォスフォネートであるYM-529を週1回10週間に渡り腹腔内に投与し腫瘍増殖抑制効果を検討した。投与量依存的に抗腫瘍効果が確認された。組織学的には、コントロールでは骨基質の形成を伴った腫瘍細胞の増殖が認められるのに対して、YM-529投与群では、骨髄内には腫瘍細胞の存在は認められるものの骨基質に浸潤する像は認められず、腫瘍細胞の増殖および骨基質への浸潤は抑制されたと考えられる。以上の結果から、新世代のビスフォスフォネートは破骨細胞の活性抑制ばかりでなく、腫瘍細胞に対する直接的な殺細胞効果、さらには腫瘍細胞から産生される骨吸収促進を促す因子に対する抑制効果を通して、骨転移巣に対する治療効果を発揮することが期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Asahi H., Koshida K., et al.: "Bisphosphonate therapy for hormone refractory prostate cancer with bone metastasis"Journal of Urology. 169. 281-282 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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