研究概要 |
前立腺癌細胞株(LNCaP, DU-145,PC-3),膀胱癌細胞株(T24)、骨肉腫細胞株(Saos-2)乳癌細胞株(MDA-MA-453)をそれぞれ培養した。細胞株よりRNeasy Kitにてtotal RNAの抽出をし、また同様に蛋白も抽出しそれぞれの濃度を測定した。total RNAより破骨細胞の分化誘導因子であるPTH-rPおよびODE破骨細胞抑制因子であるOPGと骨芽細胞の分化誘導因子であるCBFa-1,BMP-2,BMP-6の発現を調べた。 PTH-rPではLNCaPの発現は見られずDU-145,PO3、T24では強く発現していた。しかしODFではすべての細胞株で発現は見られなかった。OPGはLNCaPでは発現は認めず、DU-145では弱く発現しPC-3では強く発現していた。T-24でも弱く発現していた。CBFa-1はLNCaPでは発現は見られず、Dじ145は弱く発現し、PC-3では強く発現していた。またT-24でも弱く発現していた。BMP-2,BMP-6は前立腺癌細胞株すべてに同程度発現していたが、BMP-2のほうが発現は強かった。膀胱癌細胞T-24ではBMP-2で軽度発現が認めたが,BMP-6では発現は認められなかった。 前立腺癌の骨転移巣から得られたPC-3細胞株ではLNCaPや膀胱癌細胞株T24に比べてOPG、CBFa-1およびBMPの発現が強かった。破骨細胞を抑制するOPGと骨芽細胞の誘導分化を促すCBFa-1およびBMPの発現が強いことは前立腺癌骨転移にて破骨細胞より骨芽細胞が優位な状態が考えられる。そのために前立腺癌の骨転移では骨形成性の骨転移がおきやすい可能性が示唆される。各遺伝子の発現の定量化とwestern blotでの蛋白の発現の確認を計画している。
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