研究概要 |
アンドロゲン依存性前立腺細胞株(LNCaP),LN capより誘導したホルモン耐性株(AIDL)、アンドロゲン非依存性前立腺細胞株PC3およびDU145においてし浸潤能、走化能を調節の視点に立ち、刺激因子(growth factor等)とRho subfamily of small GTPases (Rho,Rac,cdc42)の関わりを検討した。各細胞株においてIGF-1(Insulin growth factor)およびEGF (Epidermal growth factor)により、Rho GTPase subfamily (Rac, cdc42)の活性が増加した。IGFよりもEGFが、Rac活性をより強く高める結果であった。Cdc42の活性はgrowth factorにより刺激をうけるものの、活性の程度に、刺激因子の種類による大きな差を認めなかった。すべての細胞株において、EGF投与後5分でRacおよびCdc42活性は増加しはじめ、1時間後に最大となった。3時間後の残存活性は細胞株により違いが存在した。アンドロゲン依存性の細胞株と比較して、悪性度の高いアンドロゲン非依存性の細胞株において、RhoGTPase活性は著明に高値を示した。EGFと同時にEGF receptorのinhibitorであるZD1839を投与すると、各細胞株においてRacおよびcdc42の活性の増加は認めなかった。今後、他のシグナル(PI-3 Kinase etc)との関連を検討し、mutant low molecular G protein (dominant negative, constitutive active)を細胞内にトランスフェクションしRho GTpase subfamilyの機能を評価する予定である。
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