研究概要 |
1 淡明型腎細胞癌のinsulin-like growth factor(IGF)familyに属する遺伝子の発現を調べるために、10人の腎細胞癌患者の癌組織と腎非癌部組織からtotal RNAを抽出した。Targetとする遺伝子は、IGF1,IGF1 receptor, IGF2,IGF2 receptor, insulin-like growth factor binding protein(IGFBP)1,IGFBP3,IGFBP5,H19,insulin receptorの9つとした。これらの遺伝子発現を調べるためにhousekeeping geneであるbeta actinをコントロールとしてRNase Protection Assay(RPA)を行った。現在beta-actinに対するIGF familyに属する9つの遺伝子発現を調べ、その発現を臨床的因子と比較、解析中である。 2 上記の遺伝子の中で、腎細胞癌で発現の高い遺伝子がコードする蛋白に対する抗体を用いて、免疫染色を行ったが、negativeな染色であった。しかし選択した抗体や免疫染色の条件設定に問題がある可能性があり、現在諸条件を検討中である。 3 同様に、上記の遺伝子の中で、腎細胞癌で発現の高い遺伝子がコードする蛋白の血清中での発現をELISAで測定予定である。現在当科に保存している腎癌患者の血清サンプルと健常ボランティアおよびその他良性疾患患者の血清も同時に測定することを予定している。
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