研究課題
基盤研究(C)
1.細胞形態変化と細胞骨格wild-type VHL株で、細胞は、有意にフラットな形状となり、フラスコとの接着面には、有意に多数の接着斑が形成されていた。また、これに連結するアクチンファイバーは、親株に対して有意に多く、また、太いファイバーが形成されていた。細胞内に存在するビンクリンの発現量には変化がなかったが、接着斑に存在するビンクリンの蛋白量は増加しており、ビンクリンの細胞内局在が変化し、active formが増加したものと考えられた。それに伴う細胞接着力の増加は、細胞形態の維持に影響を及ぼすものと考えられた。2.マイクロアレイwild-type VHL株とその親株を用い、マイクロアレイにて遺伝子発現について検討した。wild-type VHL株での、カルポニン発現の減少は、細胞内ミオシンのアクチンとの結合を低下させて、細胞運動能力を低下させるものと考えられ、臨床的には、癌細胞のmalignant potentialを低下させているとも考えられた。3.温度感受性wild-type VHL株、及びその親株を用いて、42℃で培養した後、細胞増殖曲線を比較した。培養後48時間で、親株はwild-type VHL株に比べて、有意に細胞数は減少していた。同様に、45℃で培養した場合、細胞は24時間でほとんど死滅したが、seeding後16時間までで、細胞数に有意差が見られ、wild-type VHL株は、親株に比べて強い温度耐性を獲得したと考えられた。しかし、フローサイトメーターでのアポトーシス細胞数には有意差は見られなかった。高温度負荷した細胞のアクチンの形態については、親株では、アクチンファイバーの構造は、ほとんどの細胞で破壊され、ドット状の構造物として確認された。一方、wild-type VHL株では、アクチンファイバーの構造は、比較的保たれていた。親株では、温度負荷によってアクチンの分解が進み、細胞形態の変化が起こっており、wild-type VHL株では、VHL蛋白が何らかの形で、アクチンファイバーの分解あるいは変性を阻害し、高温度耐性を獲得しているものと考えられた。
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