研究概要 |
これまでに我々はprostate stem cell antigen(PSCA)を特異抗原とした、前立腺癌に対する遺伝子免疫療法の確立を目的として、まずRT-PCR法を用いてマウス前立腺よりmPSCAのcDNAをクローニングし、マウス前立腺癌細胞株(RM-1,RM-11)を標的細胞とした、DNAワクチン療法の検討を行ったが、マウス前立腺癌細胞株におけるmPSCA蛋白の発現に関して、他の評価系が必要であると考えられた。そこで、レトロウイルスベクターを用いてmPSCAおよびFLAG融合mPSCA(FLAGmPSCA)を恒常的に発現するRM-1細胞(RM-1mPSCA,RM-1FLAGmPSCA)あるいはRM-11細胞(RM-11mPSCA,RM-11FLAGmPSCA)を作成した。 この細胞系が評価系として有用であるかないか検討するために、まずin vitroにてmPSCA、FLAGmPSCAの発現の有無による細胞増殖の違いに対する検討を行った。RM-1mPSCA,RM-1FLAGmPSCA、RM-11mPSCA,RM-11FLAGmPSCAの増殖はそれぞれRM-1,RM-11と同様の増殖曲線を示した。次にin vivoにての増殖の検討を行った。マウス皮下にRM-1,RM-1mPSCA,RM-1FLAGmPSCAを接種しその増殖をみたところ、その腫瘍増殖に大きな差異は認められなかった。以上より、これらの細胞は、蛋白レベルでの発現の比較が可能であることから、mPSCAを標的とした前立腺癌に対するDNAワクチン療法あるいはRNAワクチン療法の評価のマウスモデルとして有用であると考えられた。
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