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2003 年度 実績報告書

切迫早産並びに子宮頚管無力症治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14571532
研究機関弘前大学

研究代表者

田中 幹二  弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (20311540)

研究分担者 樋口 毅  弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (60238285)
キーワード子宮頚管無力症 / ヒアルロン酸 / 4メチルウンベリフェロン / 切迫早産
研究概要

本年度は、これまでの研究に加えヒト子宮頚管由来培養線維芽細胞のヒアルロン酸(HA)合成に対する4-メチルウンベリフェロン(MU)の影響についての基礎的研究をさらに進行させた。
昨年の子宮頚管由来培養線維芽細胞を用いた実験で、MUが分娩時急増し頚管熟化に主要な役割を果たすヒアルロン酸(以下HA)合成を、頚管熟化に促進的に働くDHAS、エストラジオール存在下でもほぼ完全に抑制することが判明した。そこで本年度は同細胞におけるHA合成が、分娩発来並びに頚管熟化に極めて重要な種々のサイトカイン存在下でも、MU添加によって抑制されるか否かについて検討した。
【方法】患者の同意を得て手術時採取した子宮頚管組織片を培養し、得られた線維芽細胞の培地にIL-1β、IL-6、IL-8を0.1〜50ng/mlの種々の濃度で添加した。さらに培養細胞をMU添加群、非添加群に分けて48時間培養後培地を回収し、各々のHA産生量をHA binding proteinを用いたsandwitch binding protein assay法により定量し、比較検討した。
【成績】ヒト子宮頚管培養線維芽細胞の産生する培地中のHA量はcontorol群(サイトカイン無添加群)に比較してIL-8、IL-6添加群において有意に増加し、特にIL-8を5ng/ml以上添加した群では50%以上の増加を認めた(P<0.01)。しかし、MUの添加により全ての群においてHA産生量は50%以下に抑制された。
【結論】子宮頚管熟化のトリガーとされるIL-8はHA合成も著明に促進することが証明された。その一方で、IL-8や陣痛発来に重要なIL-1β、IL-6存在下でもMUはHA産生を著明に抑制したことから、MUによる子宮頚管熟化抑制の可能性が示され、本剤が早産防止の新しい治療薬となり得る可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 田中幹二: "子宮頚管無力症治療薬開発プロジェクト"産婦人科の世界. 55・7. 805-810 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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