研究課題/領域番号 |
14571533
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 潔 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70241594)
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研究分担者 |
新倉 仁 東北大学, 病院・講師 (80261634)
八重樫 伸生 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00241597)
笹野 公伸 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50187142)
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キーワード | estrogen sulfotransferase / steroid sulfatase / 大規模遺伝子解析 / 子宮内膜癌 / エストロゲン応答遺伝子 / ホルモンレセプター関連遺伝子 |
研究概要 |
平成16年度は子宮内膜癌局所におけるホルモン局所合成の臨床的意義を検討した。また子宮内膜癌培養細胞を用いて大規模遺伝子解析によりエストロゲン応答遺伝子の発現を検討した。【対象及び方法】1)閉経後子宮内膜癌においてestrone(E1)をstrone sulfate(E1S)に転換するestrogen sulfotransferase(EST)、E1SをE1へ変換するsteroid sulfatase(STS)の発現動態と臨床病理学的因子との関連を検討した。2)子宮内膜癌培養細胞8種類のうち、エストロゲン応答性の良好な3種類をピックアップし、大規模遺伝子解析(約2万遺伝子)を用いて、エストロゲン刺激後のエストロゲン応答遺伝子の発現を検討した。【結果】1)内膜癌組織でのEST,STSの発現は、単独では予後と相関しなかったが、STS/EST比は予後と有意な相関を示した。2)エストロゲン応答性の良好な3種類の内膜癌培養細胞はエストロゲン刺激により様々なエストロゲン応答遺伝子を発現したが、3種類の株での発現動態はほぼ同様であり、これらの遺伝子群は内膜癌の性格を反映していると考えられた。発現亢進している遺伝子群にはホルモンレセプター関連のものが多数見られた。【結論】1)子宮内膜癌組織局所におけるSTS/ESTの発現比は生物学的悪性度と関連があり、予後と相関があることを初めて明らかにした(Clinical Cancer Research 2004)。2)エストロゲン依存性内膜癌の性格を反映していると考えられる培養細胞群での検討で、内膜癌の進展に関与している可能性のあるエストロゲン応答遺伝子群には、ホルモンレセプター関連遺伝子群が含まれていることを明らかにした。
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