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2002 年度 実績報告書

卵巣チョコレート嚢胞の癌化に関わるCOX-2並びにフリーラジカルの意義

研究課題

研究課題/領域番号 14571534
研究機関秋田大学

研究代表者

太田 博孝  秋田大学, 医学部, 助教授 (90152149)

研究分担者 田中 俊誠  秋田大学, 医学部, 教授 (40002216)
田中 秀則  秋田大学, 医学部, 助手 (40344759)
キーワード子宮内膜症 / 卵巣チョコレート嚢胞 / 卵巣癌 / フリーラジカル / シクロオキシゲナーゼ / 癌化
研究概要

子宮内膜症では、卯巣癌を高率に合併する。本研究では、フリーラジカル系の破綻が卵巣チョコレート嚢胞の悪性化に寄与するか否かを明らかにすることを目的とした。具体的に、卵巣チョコレート嚢胞の癌化に関わるCOX-2並びにフリーラジカル関連酵素の意義について検討した。
婦人科的手術を受けた正常婦人の卵巣の一部(対照群)、卵巣チョコレート嚢胞壁の異所性子宮内膜組織(嚢胞群)および卵巣癌組織を、各患者の同意を得て採取した。卵巣癌群は、漿液型、類内膜型、明細胞型、粘液型の4亜群に分け、計6群で統計分析を行った。免疫染色の各値はHスコアにより定量化して比較検討した。
免疫組織学的にCOX-2の発現は対照群で極軽度であった。一方、嚢胞群でCOX-2は著明に強く発現、ほぼ卵巣癌近似の値を示した(P<0.0001)。RT-PCR法によるCOX-2mRNA、及び蛋白レベルでの検討でも、COX-2分画の特異的発現を認めた。NOS蛋白の発現は、対照群、嚢胞群で極低値であったものの、卵巣癌群では強く発現し、各群間で有意の差(P<0.002)を認めた。SODの発現は、卵巣癌の各群で対照群より高値傾向を示したものの、有意の差ではなかった(P=0.0548)。さらに、DNAが酸化ストレスを受けた時に発現するその代謝産物、8-hydroxyguanosineは、対照群で低値、嚢胞群でやや上昇、卵巣癌群で高値を示し、全群では著明な有意差(P<0.005)を認めた。
以上の成績から、(1)卵巣チョコレート嚢胞内の子宮内膜組織ではフリーラジカル産生の異常が認められること、(2)卵巣チョコレート嚢胞の癌化には、特に過剰に発現したCOX-2が深く関与し、(3)産生されるフリーラジカルが組織損傷を進め、結果として染色体の異常を惹起し、悪性化を来している可能性が示唆された。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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