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2002 年度 実績報告書

ゲノムDNAメチル化解析による子宮内膜癌発生機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14571547
研究機関金沢大学

研究代表者

金谷 太郎  金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (30303308)

研究分担者 京 哲  金沢大学, 医学系研究科, 講師 (50272969)
キーワードDNAメチル化 / 子宮内膜癌 / ミスマッチ修復遺伝子 / hMLH1 / PTEN Mutation / Metylation Specific PCR / Microsatellite instability / Microdissection
研究概要

これまでの研究による成果は以下の4点に集約される。
(1)子宮内膜癌組織におけるhMLH1プロモーター領域のメチル化頻度:解析を行った56例の子宮内膜癌組織において、Methylation specific PCR(MSP)と、Bisulfite sequece法を用いてメチル化を確認した。メチル化された症例はMSPでは37.5%、Bisulfite sequeceでは全メチル化が29%、部分的メチル化が25%であった。
(2)hMLH1メチル化に伴う蛋白発現の低下:免疫組織染色を用いた解析により、メチル化を受けた子宮内膜癌症例では、hMLH1の発現は有意に低下していた。
(3)正常子宮内膜におけるメチル化解析:子宮内膜癌症例において、近接する正常内膜部分におけるメチル化は30%に認められたが、子宮筋腫等の良性疾患における正常子宮内膜では3%にメチル化を認めたのみであった。
(4)癌および正常内膜における遺伝子不安定性:これまでにも癌組織における遺伝子の不安定性がMicrosatellite instability(MSI)として数多く報告されてきたが、我々の解析ではhMLH1のメチル化がMSIと深く関与し、癌組織のみならず近接した正常内膜でもMSIを認め、発癌過程においてDNA修復遺伝子のメチル化と遺伝子不安定性が初期の変化であることを確認した。
今後は当初の計画を進め、子宮内膜癌発癌の早期に変異を受けるとされているPTENと、hMLH1メチル化とがどのように関与しているかについて現在解析中であり、発癌の初期イベントにスポットを当てて新たなる知見を検索する。また、細胞・組織診由来の検体やMicrodissectionによるごく微量の検体からメチル化や遺伝子変異の解析を行うことにより、発癌リスクの高い症例の識別などに臨床応用が可能かどうかについても検討を加えていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 金谷太郎: "子宮体癌の遺伝子診断"産婦人科治療. 85. 637-641 (2002)

  • [文献書誌] Taro Kanaya: "Frequent hypermethylation of MLH1 promoter in normal endometrium of patients with endometrial cancers"Oncogene. (in press ). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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