研究課題/領域番号 |
14571550
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
星 和彦 山梨大学, 医学部, 教授 (20111289)
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研究分担者 |
笠井 剛 山梨大学, 医学部, 講師 (20194699)
平田 修司 山梨大学, 医学部, 助教授 (00228785)
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キーワード | sperm factor / PLCζ / 精巣cDNA / ヒト |
研究概要 |
本研究の目的は、受精の際「卵細胞の活性化」の引き金である細胞内Caイオンの律動的な変化(Ca oscillation)を惹起するヒト精子細胞質内の「卵細胞活性化因子(sperm factor)」を同定しようとするものであった。研究の開始段階においては、ヒト精子のsperm factorの構造についての手がかりはまったくなかったため、本年度前半は、発現スクリーニング法を用いたcDNAクローニングを試み、その実験系の確立を行った。しかしながら、研究遂行中に英国のグループより、マウスのsperm factorの本態が精子特異的なphosphlipase C(PLCζ)であることが報告された(Development 129:3533,2002)。本研究は、ヒト精子のsperm factorを同定し、さらに、真核細胞発現系を用いて組み換えタンパクを発現させ、組み換えタンパクの生理活性を解析することである。したがって、この報告ののち、本年度後半ではヒトPLCζのcDNAクローニングを行うこととした。この目的で、マウスのPLCζ cDNAの塩基配列より予想されるヒトPLCζ cDNAの塩基配列に基づいて、PCRプライマーを作成し、ヒト精巣のRNAよりヒトPLCζ cDNAの一部を遺伝子増幅した。さらにその増幅遺伝子を用いて、本年度前半に確立した方法により、ヒト精巣のcDNAライブラリーをスクリーニングし、陽性クローンを得た。現在、この陽性クローンの塩基配列を解析し、また、それを用いて発現ベクターを構築しつつある。
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