精子ベクターを用いた遺伝子導入法による遺伝子疾患の治療の試み

2002 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 14571551
• 研究機関: 山梨医科大学
• 研究代表者: 笠井 剛 山梨大学, 医学部, 講師 (20194699)
• 研究分担者: 平田 修司 山梨大学, 医学部, 助教授 (00228785) ; 星 和彦 山梨大学, 医学部, 教授 (20111289)
• キーワード: チロシナーゼ / 遺伝子治療 / メラノーマ / アルビノマウス

研究概要

本研究の目的は、3年間の研究年限内に、マウスを実験動物として、精子ベクターを用いた遺伝子導入法を用いてDNAの変異や欠失に基づいた遺伝性疾患の治療方法の確立を試みようとするものである。この目的で、マウス遺伝性疾患のモデルとして、アルビノ(白色)マウスであるBALB/cマウスを用い、遺伝子治療によってDNAの変異を修復することにより「白皮症」の治療を試みることとした。本年度は、まず、C37BLマウスのgenomicライブラリーより、チロシナーゼ遺伝子のエキソン1とその周囲の遺伝子をクローニングした。つづいて、疾患モデルとして英国ロンドン大学のDorothy C Bennett教授より、melanomaのcell line(melan c)の供与を受けた。この細胞はBALB/cマウスと同様の点変異によってmelanin非産生性になったmelanoma細胞である。得られたDNAの種々の部分を、melan cにtransfectionし、melaninの産生(細胞の黒色化)を指標として、遺伝子治療に適するDNAの部分ならびに分子サイズの検討を開始した。

研究成果

• [文献書誌] Mizuno K, Hirata S, Kasai T, Nagai S, Ohta S, Hoshi K: "Oxidative state and zona-binding ability in mouse spermatozoa treated with reduced glutathione"Reprod Med Biol. 1(2). 55-58 (2002)
• [文献書誌] Shoda T, Hirata S, Kato J, Hoshi K: "Cloning of novel isoform of the estrogen receptor beta cDNA(ERβ isoform M cDNA)from the human testicular cDNA library"J Steroid Biochcm Mol Biol. 81(2-3). 201-206 (2002)
• [文献書誌] Hirata S, Shoda T, Kato J, Hoshi K: "Novel isoforms of the mRNA for human female sex steroid hormone receptors"J Steroid Biochem Mol Biol. 83(1-5). 25-30 (2002)
• [文献書誌] Okuda Y, Hirata S, Shoda T, Kato J, Hoshi K: "Novel splicing events of untanslated first exons in human estrogen receptor alpha(ERα)gene"Endocr J. 50(1). 97-104 (2003)