研究概要 |
遺伝子組み替えアデノウイルスを作成しPTEN-nullの子宮内膜癌細胞イシカワ株に感染させ、遺伝子導入しPTEN発現亜株を作成した。PTEN導入細胞では増殖因子のうちEGF, IGF-1ではPTEN発現細胞で明らかな感受性の増強が見られ、EGFの培地添加によって燐酸化Aktの増加が観察され、PIP3/Aktのシグナル伝達系がEGFによって活性化された結果であること、ERbetaの発現の増加は観察されるものの、燐酸化ERbetaの発現量には変化はなく、一方ERalphaはPTEN導入によって総量の変化はないものの、燐酸化ERalphaは減少し、PTENがエストロゲン受容体の機能や発現量に影響を与えていることが明らかとなった。 エストロゲン代謝酵素のうち、Aromatase, Estrone sulfatase, 17beta hydroxysteroid dehydrogenase type1, type 2, estrone sulfotransferaseの発現変化をreal-time PCRで解析したところestrone sulfatase, 17beta-hydroxysteroid dehydeogenase type 1の発現量の増加が見られ、PTENは細胞内でE1の合成に関与していることが示唆された。
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