研究概要 |
子宮内膜における残存絨毛細胞の同定と精製 1.男児の出産歴を有し、月経周期のある非妊婦婦人の子宮摘出手術時に、患者の同意のもと、子宮内膜および子宮筋層浅層を採取し、一部から凍結標本を作成し、その残りより、RNAおよびDNAを抽出した。 2.採取した細胞から、DNAを採取した後、Y染色体特異的なSRY遺伝子のprimerを用いてreal-timePCRを施行し、Y染色体の存在を示唆する結果を得た。 3.凍結切片標本から連続切片を作成し、HCG、HPLに対する蛍光免疫組織二重染色を行い、HCG、HPL陽性細胞の存在を同定し、HCG、HPL陽性細胞を認めた切片より、laser capture microdissection(LCM)を用いて、HCG, HPL陽性細胞のみを選択に採取する方法を準備中。 絨毛細胞におけるサイクリン依存性キナーゼ(CDK)とそのインヒビター(CDKI)の発現解析 1.患者の同意を得て、人工妊娠中絶時、早産時、満期産時に絨毛細胞を採取し、蛋白を抽出し一部をパラフィン包埋した。 2.妊娠各期の絨毛細胞にCKIである、p21,p27,p57の発現をウェスタンブロットにて確認した。P21とp27の発現量は胎盤完成を境に逆転していた。 3.p21,p27,p57の絨毛細胞におけるlocationを免疫組織染色にて確認した。 4.絨毛細胞より抽出した蛋白に対し、抗CDK2抗体を用いて免疫沈降を行い、沈殿物を回収し、pRbを基質とし、[γ-32P]ATPを添加したCDK2のキナーゼ活性測定系を用い、CDK2のキナーゼ活性を測定した。 5.絨毛細胞より抽出した蛋白に対し、抗CDK2抗体を用いて免疫沈降を行い、沈殿物を回収し、抗p21およびp27抗体を用い、CDK2とp21およびp27の結合状態により、CDK2活性の抑制能を解析した。
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