研究概要 |
新しいステロイド・Xenobiotics代謝調節機構PXR-CYP3A系が内分泌撹乱物質暴露時に周産期や月経周期において如何に活性化されるか,またCoactivatorと呼ばれる転写因子群が如何に関わっているかを検討するためいくつかの実験を行い,今年度は以下の結果を得た. 1.マウス子宮内膜ではPXRの発現を認めたため,摘出標本をもちいてヒト子宮内膜でのPXR蛋白の発現を検討したところ,正常子宮内膜では認めなかったが子宮出血止血目的でホルモン剤を内服していた患者の子宮内膜では発現が誘導されていた.またtarget geneであるCYP3A4も発現を認めた. 2.ホルモン依存性癌の一つである子宮内膜癌での発現を検討したところ,PXRが強く発現している組織ではCYP3A4も強く発現していたが,estrogen receptorの発現は抑えられていた. 3.子宮内膜癌由来細胞にてBisphenol AやPhthalateはPXRを介した転写を誘導した. 4.Yeast two-hybrid法を用いてPXRと結合するcoactivatorを卵巣のcDNA libraryを用いてscreeningし,PXRと結合するcoactivatorを検索しいくつかのcloneを獲得した.現在,これらのcloneの解析を行っている.
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