研究課題/領域番号 |
14571564
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
三好 博史 広島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (40294590)
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研究分担者 |
山岡 薫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (10200586)
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キーワード | 周産期医学 / 子宮 / イオンチャンネル / 早産治療 / ATP受容体 / 非選択性陽イオンチャンネル / P2チャンネル / TRPチャンネル |
研究概要 |
子宮収縮および陣痛周期を制御する機構として、従来から非選択性陽イオンチャンネル(nonselective cation channel、NSCC)とATP受容体電流を妊娠ラット子宮平滑筋細胞において観察しその性質を報告してきた。今年度はこれらのチャンネルがATP受容体の一種であるP2XとCa透過性NSCCとして注目されているtransient receptor potential(TRP)チャンネルである可能性について分子生物学的に検討した。 子宮筋層より抽出作成したcDNAライブラリーにおいて各チャンネルmRNAの発現をRT-PCR法により観察した。P2Xにおいては子宮より得られたプラスミドを培養細胞発現系によりチャンネルを発現させ、パッチクランプ法でその電流を記録した。 その結果P2Xは7種類すべてのサブタイプの発現を認め特にP2X4の優位な発現が観察された。子宮筋P2X4のクローニングを行ったところラット脳の報告と約99.9%の相同性を認めアミノ酸配列は同一であった。得られたプラスミドを培養細胞に発現させたところ、細胞外ATPで活性化される電流が観察された。この電流は子宮平滑筋細胞ATP受容体電流と性質がよく一致していた。一方、TRPは7種類のサブタイプのうちTRPC1、C3、C4、C6の発現を認めC3、C4が優位であった。TRPC3の相同性は約99%であった。 以上より妊娠ラット子宮平滑筋においてP2X4およびTRPC3チャンネルは子宮平滑筋におけるNSCCと考えられ子宮収縮制御機構との関連が示唆された。また、両者はマグネゾールの子宮収縮抑制機序のひとつであることが示唆された。一方もう一つの目的であったATP感受性Kチャンネルは子宮平滑筋細胞においては単離同定が困難であった。
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